中国の文化を知ること

中国の文化と宴会

食事をすることで築く信頼関係

中国でのビジネスを成功させる上でポイントとなるのが「宴会」です。

中国では、会議などのフォーマルなやり取りよりも、一緒に食事をすることで築くことのできる人間らしい信頼関係の方が、ビジネスの成功可否に直接関わっていると言っても過言ではありません。その点を忘れないようにしましょう。

宴会での礼儀作法

礼儀作法をもって相手をもてなす

宴会の席で気をつけるべきことは1つだけ。それは、相手に不快感を与えないこと。つまり、しっかりとした礼儀作法をもって、相手をもてなすということです。

では、中国における宴会での礼儀作法を紹介します。

席順

日本では、お客さんを上座に案内するのが一般的な礼儀作法ですが、中国では違います。上座には主催者が座り、その右隣にお客さんを案内します。

一概には言えませんが、入り口から遠く離れた席ほど「高い」席となるようです。

乾杯

乾杯が行われたら、一息でお酒を飲み干しましょう。中国での乾杯は文字通り、杯を乾かします。

料理は残す

中国では、出された料理を少し残し、食事を終えるのが礼儀とされています。これは、食べきれないほどの料理でもてなす、という中国の風習によるものです。

お土産

中国の宴会にはお土産がつき物です。しかし、お土産にする品物は注意して選ぶようにしましょう。特に、下記に挙げているものは縁起が悪いとされています。

置時計
中国語で「置き時計を送る(送鐘)」と「死に水をとる(送終)」が同じ発音のため、不吉とされています。
中国語で傘は「別れる(散)」と同じ発音のため、不吉とされています。
緑色の装身具
中国語で「緑色の帽子をかぶる(戴緑帽)」は相手を侮辱する言葉のため、緑色の装身具は贈り物は適していません。
白い花
白い花は葬儀で使われる花のため、不吉とされています。宴会などの祝事では、赤い花を使いましょう。

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日常生活について

中国人の苗字

世界最大の人口を誇る中国ですが、人口の割に姓の数が極端に少ないのです。そのなかでもっとも多い姓は「李」で、漢民族の1割弱にあたります。次が「王」で、張、劉、陳、楊、趙、黄、周、呉と続きます。全部で約3,500の姓が存在すると言われますが、李さんから呉さんまでを合わせると中国総人口の2割を超すことになります。

名前の呼び方

人に声をかけるときは、姓に「先生」をつけて呼ぶのが正しい言い方です。ただし、女性に対しては「先生」のほかに「女史」と呼ぶこともあります。もちろん親しい間柄であれば呼び捨てやあだ名で呼ぶことも。あだ名については、相手が年上の人なら「老+姓(ただし、およそ40歳以上の人に対して)」、年下の人に対しては「小+姓」で呼びます。それ以外にも、子供や特に親しい人には「阿+名」で呼ぶことがあります。

祝祭日について

もちろん現在では中国も西暦を使っています。採用されたのは1911年です。しかし、中国古来より伝承されている祝祭日については旧暦に合わせて祝います。旧暦の祝祭日は、春節(旧正月)、元宵(春節から15日目の最初の満月の日)、清明節(春分から15日後の先祖の墓参をする日)、中秋節(旧暦8月15日。名月を観賞する日)などがあります。国際的な祝祭日は西暦に基づいています。元旦(これは他の国ほど大きく祝いません)、国際労働節(メーデー、5月1日)などがそうです。また、海外から入ってきた祝日も祝います。情人節(バレンタインデー、2月14日)、聖誕節(クリスマス、12月25日)などです。そして最後に現代中国の記念日としての祝祭日があります。七一建党日(中国共産党設立記念日、7月1日)、八一建軍節(人民解放軍記念日、8月1日)、国慶節(中華人民共和国建国記念日、10月1日)などです。

縁起の良い色

中国では「赤」と「緑色」を縁起の良い色とします。赤は慶事、緑色は幸せを表します。ただし、例外として赤字で書かれた手紙は絶交を意味します。また、緑色は「お土産」のところでも触れましたが、帽子などの身につけるものについては相手を侮辱することになりますので例外となります。

華人と華僑の違い

華人と華僑はよく混同されますが、正確には移住先の国籍を取得した中国系住民を華人、国籍を取得していない中国系住民を華僑と呼びます。日本でも多くの華僑が活躍していて、たとえば歌手のジュディ・オング(翁倩玉)さんやアグネス・チャン(陳美齢)さんなどが挙げられます。

中国の宗教

国教がなく、憲法で「信教の自由を有する」と規定されている中国は多宗教国家で、仏教、道教、イスラム教、キリスト教の4教を主要宗教としています。しかし、ほとんどの中国人は特定の宗教を信仰することなく、日本人と同じように祭りなどのイベントのときくらいしか宗教を意識しません。

中華思想とは

中華思想とは、中国が世界の中心で、その文化や思想がもっとも価値のあるものとし、漢民族以外の民族を見下す考え方です。中国でこの考えの基礎が出来上がったのは春秋戦国時代のことで、孔子、老子などがその先駆者でした。戦国時代に入ると諸子百家が出現し、「中華思想」というものが思想として形作られました。日本の歴史に出てくる朝貢貿易なども、この中華思想によって日本側が中国の皇帝に貢ぐという形で行われた貿易です。

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